思わずタキオは、ロミを見下ろした。ロミは冗談を言っている風でも何でもなく、無表情と言ってもいいくらいの真顔で、 腕を組み、そっぽを向いていた。

 さすがのニルノも、カチンときた表情になった。
 眼鏡越しにロミを睨むと、オレンジジュースを一気に飲み干し、ニルノは宣言した。

「もう、こんなことは、金輪際、これっきりだからな!」

 荒い足取りで、ニルノはテーブルを離れる。

 タキオはため息をつくと、頭を掻いた。

「お前らなあ……」

 つんとした表情のまま、ロミも歩き出す。全く先が思いやられるぜ、と思いながら、タキオもカフェを後にした。

 舗装された道を下っていくと、間もなくジャングルが開け、港が現れた。
 眼前に迫るユニコーン号を前に、ニルノもロミも、 次第に緊張した面持ちに変わっていく。タキオでさえも、ユニコーン号を見上げ、思わず声を上げたい気分になった。

 目の前に現れたユニコーン号は、遠目から見下ろしていた時とは、まるで違った。
 静かに羽根を休める白鳥などというものではない。 世界を掌握し、天から見下ろす皇帝の城だ。
 その圧倒的な大きさは、全ての動物をつがいで乗せてなおあり余り、 その揺ぎ無さは、雷に打たれようが氷山にぶつかろうが、どこまでもまっすぐに進んでいきそうに見える。

 タキオがこれまで目にしてきた、どんな船も比較にならない。この中で俺たちは暴れ回るのか、と、彼らしくもなく、タキオは 一抹の不安を覚えた。

--------------------------------------------------
[456]



/ / top
inserted by FC2 system