四人は呆気に取られたが、真っ先に、タキオが動き出した。四人分の荷物をまとめて肩に引っさげると、 子供たちに怒鳴った。

「全員、線路の内側に入れ!」

「え、乗るの? 次のを待てば?」

「次のは四時間後だぞ!」

 レインは素早かった。イオキの手を引っ張ると、広告看板の下を潜り、線路沿いの柵に手をかけ、乗り越えた。後からロミが、金色の足で、 身軽に柵を乗り越えた。タキオも一跳びだった。

 レインの側で信号機が黄色になり、急に、列車の速度が落ち始めた。と言っても、止まる気配はない。自動車くらいの速度で、 どんどんこちらに近づいてくる。

「ロミ! 先に乗れ!」

 光沢のある黒い車体から、地響きと轟音、熱波を放射しながら、十両の列車が、四人の目の前を通過していく。

 タキオは轟音に負けぬよう怒鳴ると、最後尾のデッキに、荷物を放り込んだ。デッキで煙草を吸っていた男たちが、 飛んできた荷物を避け、やんややんやと野次を飛ばす。そこへ、ロミが金色の放物線を描いて、飛び込んだ。すぐさま振り返り、 こちらに手を伸ばした。

 列車と併走しながら、レインはロミへ手を伸ばした。
 が、その指先が触れ合う寸前、視界の隅に何かがちらつき、思わずそちらを見てしまった。

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