僕とこの子は、欅と宿り木のようなもの。どこか異質な存在であり、大切な同胞ではあるが、それ以上ではない。

 そのことを再確認したミトは、一抹の寂しさを覚えながら、若く、活気に満ちた同胞たちを眺めた。

「何がお下がりだ! 気分悪い! こんな趣味の悪い服、脱いでやる!」

「えー、似合ってるのに」

「待ちなさい、ヒューゴ。死者の弔いには上下白い服を着るのがしきたりよ。そんな格好では……」

「うるせえ、ばばあは黙ってろ!」

「ば……っ、何ですって?」

 ヒューゴが牙を剥き、モギがまなじりを吊り上げる。

 同時に、パン、とミトは音高く手を叩いた。

 今にもつかみ合わんばかりに殺気を出して睨み合うモギとヒューゴ、それを、虎とライオンの戦いを観戦するような、 楽しそうな表情で眺めていたコンは、振り向いた。

「ヒューゴ、そんな風に同族を罵るものじゃない」

ミトは静かに言った。

「二人とも、モギに挨拶を。そうしたら、奥の部屋で儀式を始めよう。これで人数は全員揃った」

 ヒューゴは何か言いたげな顔をしたが、ミトがじっと隻眼を見つめると、小さく舌打ちして目を逸らした。
 咳払いして右腕を差し出すモギに、まずはコンが恭しく口づける。続いてヒューゴが渋々彼女の手を取るのを見ながら、 コンはミトに尋ねた。

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