直後、男はもう片方の刃で、反対方向から襲いかかってきたトリィのパイプ管を受け止め、いなした。
体勢を崩したトリィの背中を、返す刃で斬った。 背中から血を噴き出しながらも踏み止まり、トリィは、鬼の形相で叫んだ。 「糞ったれがあ！」 そのまま狂ったように、トリィは男に突っ込んでいった。 だが、幾らパイプ管を振っても、相手のサーベルの方が長いせいで、攻撃が本体まで届かない。 片足でオリザを踏みつけ、左手でレインを牽制しながら、男は右手のサーベルを操り、トリィの攻撃を次々といなしていく。 とうとう男の一撃が閃き、トリィのパイプ管は真っ二つに切れた。 凍りつくトリィの喉めがけ、男は冷静に、サーベルを突き出した。 切られたパイプ管の先がくるくる回りながら、空中を飛んでいくのを、オリザは見た。 レインが跳び出し、その先をキャッチするのも。 切れたパイプ管をキャッチすると、レインは一瞬の躊躇もなく、それを男の顔目がけて投げた。 サーベルがトリィの喉を貫くまさにその寸前、パイプ管は、男の顔に命中した。うっ、と、男の手元がぶれる。サーベルの切っ先は、 トリィの喉元をそれた。同時にトリィは雄叫びを上げ、折れたパイプ管の根元を握り締め、男の懐に突っ込んだ。 鈍い音と共に、竹槍のように鋭く尖ったパイプ管は、男の腹に深々と突き刺さった。 -------------------------------------------------- |