「くそっ! お前ら、カタギじゃねーな?」

男の一人がわめく。

「いやいや、善良なる一般市民だぜ? お前らと違って、ちゃんと税金納めてるし」

「善良なる一般市民が、何で銃を持ってるんだよ! お前ら、サツか軍部だろ!」

「だったらどーだってんだよ」

「アンダー・トレイン中に、お前らのこと伝えてやる! ここから生きて帰れると思うな…!」

 ドン、とヒヨは引き金を引いた。
 額から血を流しながら、男はドサッと倒れた。

「さあさあ、あんたらもこうなりたくなけりゃ」

 ヒヨは残り二人に銃を向けた。

「どうすりゃいいか、分かるよな?」

「三十六階直通の道は、今はない!」

一人が、すぐに叫んだ。

「この先進むと階段があるから、それを使って二階分下に降りて、そのフロアーにあるエレベーターを使えば、四十階まで直通で行ける! そっから三十六階に降りるのが、一番早い!」

「……だとよ」

「分かりました」

 テクラが頷くと、ヒヨは「助けてくれ」とわめく二人に無造作に近づき、銃底で後頭部を次々と殴った。
 二人はドサリと倒れた。

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